【解決】ITエンジニアで実務経験が積めない原因と積み方【実務経験4年の僕が解説】

こんな疑問にお答えします。

本記事で解説する「ITエンジニアで実務経験が積めない原因と積み方」を読めば、実務経験を積む方法や今後エンジニアとして市場価値を高める方法が分かりますよ。

僕は現役でフリーランスエンジニアをやっています。実務経験は4年半ほど。それらの経験を基に解説しますね。

結論から言うと、エンジニアで実務経験が積めない原因は、企業側にあるケースが多いです。とはいえ、企業の責任にするだけだと実務経験は積めないままです。

エンジニアが実務経験を積むには、「スキルを証明して実務経験が積める業務をさせてもらうよう交渉する」あるいは、「実務経験が積める現場に変える」がポイントです。詳細は記事で解説していきますね。

現在IT企業に勤めていて実務経験がなかなか積めない方、これから未経験からエンジニアになり実務経験を積む方法を事前に情報収集したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

エンジニアで実務経験が積めないリスク

エンジニアで実務経験が積めない状態でいることは、将来的にデメリットが多いです。

まずは、具体的にどういうデメリットやリスクがあるのかを把握していきましょう。

市場価値が上がりにくい

1つ目は、市場価値が上がりにくいところです。

実務経験が積めないということは、エンジニアとして成長ができないということ。

上記の状況になり、キャリアの選択肢が広がっていきません。

手に職がつかない

現在未経験の場合、実務経験が積めないと、スキルアップができないため手に職がつかないですよね。

手に職がつかないと、エンジニアとして需要のある人材になれないため、キャリアをデザインしにくくなります。

「将来性のあるエンジニア」とは、スキルがある前提ですので、肝心のスキルを身に付ける必要があります。(対策方法は後述します)

社内での居心地の悪化

社内での居心地が次第に悪くなるのもデメリットの一つ。

どういうことかというと、エンジニアとしてスキルアップできないままIT企業に居続けると、後から入社してきたエンジニアや上司達から慕われにくくなります。

そうなると徐々に社内での居心地が悪くなっていってもおかしくはありません。なので、これから実務経験を積むための行動をしていくことが、将来的にメリットが大きいです。

ITエンジニアの実務経験とは

エンジニアの実務経験を積むのであれば、「そもそもエンジニアの実務経験とは何か」を把握しておく必要があります。

この章では、以下の2つを解説していきますね。

実務経験と見られやすい例

実務経験とは、一般的には「実際に現場で業務を行った経験」を意味しています。

実務経験とは、研修や自己学習など机上で学んだ知識ではなく、実際に業務を遂行した経験を指します。即戦力採用を行っている企業の場合、「○○の実務経験3年程度」など、求人に業務内容と採用の目安となる経験年数が記載されているケースがあります。
引用元：リクルートエージェント

上記のとおりです。

ただし、エンジニアの実務経験とは、現場で行った業務の「全てが対象ではない」ことが多いです。

具体的には、以下の工程に直接携わった経験が、エンジニアの実務経験と見られやすい例です。

たとえば、要件定義や設計をしているなら、上流工程の実務経験としてカウントされます。プログラミング以降の経験を積んでいる場合、下流工程としての実務経験がカウントされます。

テスターのみは実務経験としてカウントされにくい

注意すべきなのは、「テストだけやる」とかは実務経験とは言い難いです。

なぜなら、多くの求人は上流工程の経験やプログラミングを含む下流工程の経験があるエンジニアを、求めているケースが多いから。

たとえば、開発系エンジニアを例にするなら、求人ではよく「〇〇言語の開発経験3年以上」とかって書いてありますよね。その場合、テスターで3年経験があったとしても、開発経験がないため求人に応募しても書類選考には通りづらいです。

専門スキルを必要とする現場での経験こそが、ITエンジニアの実務経験と考えられます。

実務経験と見みなされにくい例

エンジニアの実務経験と見みなされにくい例もみていきましょう。

以下は実務経験とは言い難いです。

なぜ上記が実務経験と見なされにくいかを補足します。

まず、新人研修についてです。研修は「学ぶ側」「実際の業務ではない」ので、実務経験とは言えません。

次にテストに関してです。テストは、3ヶ月や6ヶ月などの長期間ひたすら動作確認だけをするような場合、エンジニアの実務経験とは言い難いです。なぜなら、バグの修正や設計書の修正などが伴わないテストは、専門知識を必要としない単純作業だから。

他にもデータをエクセルにまとめるだけの作業、資料作成(設計書以外)なども、単純作業なので実務経験とは言い難いですね。

副業でHTMLやCSSを使ったコーディングに関しては、Web制作コーダーを目指すなら効果的です。ですが、「エンジニアとしての実務」という観点では実務経験とは見なされにくいです。

ITエンジニアで実務経験が積めない原因

続いて、エンジニアで実務経験が積めない主な原因を見ていきましょう。

その原因は主に3つ考えられます。

開発の機会がない

1つ目は、所属の会社で開発の機会がないからです。開発の機会がなければ開発経験は積みにくいです。

よくある例が、上流工程は自社エンジニアで行い、開発以降は外注プログラマに任せているケースです。これは、大手企業や中小企業のSIerに多い傾向がありますね。

会社としては、プログラミングは外注して他の雑務や上流工程を自社の社員に任せた方が、業務効率は良いのでしょう。

でも社員はいつまでも開発経験が積めない状態になります。

上流工程の経験が積めている場合はOK

とはいえ、開発(プログラミング)の機会がなくても上流工程の経験が積めている場合、エンジニアとしての市場価値はあがっていくでしょう。

なぜなら、要件定義や設計書の作成ができるだけでも、需要のある人材になれるからです。これらも専門スキルやコミュニケーション能力を必要とする工程です。

たとえば、フリーランスエンジニアの案件では、上流工程の案件はあります。

とはいえ、「プログラミングの経験」もあった方が案件の選択肢は広がります。なので、いずれにしても開発経験は積んでおいて損はないかなと。

スキル不足で仕事を任されにくい

2つ目は本人にスキルが足りていないケースです。

スキルがないと、専門的な仕事を任せてもらえないことがあります。

たとえば、一部の会社はエンジニアの教育体制が整っていないケースがあります。そういった会社は「スキルがある人に仕事を任せる」傾向にあります。つまり、スキルが足りない人には簡単な雑務を中心に任せるという流れです。

なので「スキルがない人は、実務経験を積む機会が少ない」というループに陥ってしまいます。

スキルアップしづらいSES企業だから

3つ目は、スキルアップしづらいSES企業に所属しているケースです。

スキルアップしづらいSES企業とは、面接時に実務経験が積めると説明がありながらも、入社後は一般的な雑務などを任せるSES企業のことです。

こういったSES企業にいると、実務経験が積めず、市場価値が高まりにくいです。

僕の友人の例

実際、僕の友人も先述したようなSES企業で「2年間サーバーをただ監視する作業」をさせられたことがあるようです。

友人はその会社を辞めて、プログラミングスクールを受講しスキルを身につけてから、再度転職活動をしていました。

世の中には、未経験者や新入社員エンジニアを利用し、利益ファーストで運営するSES企業は多い印象です。なので、まずは実務経験が積めそうな企業かどうかを事前に見極める力が必要です。

たとえば、HPを入念にチェックする。求人で「技術職の枠としての募集」がわかる記載があるかどうかを確認するのもいいでしょう。

以下では、SESのヘルプデスクではスキルアップが難しい理由を解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

ITエンジニアの実務経験の積み方

ITエンジニアが実務経験を積む方法を解説します。

実務経験の積み方は、以下の3パターンです。

自社の営業に交渉する

1つ目は自社の営業に交渉することです。

具体的には、実務経験を積める業務をさせてもらうか、経験が積める現場に変えてもらうかを交渉すると良いです。

もし自社に開発案件がある場合、まずは自社内で実務経験を積めるのがベストかなと。

営業に交渉する場合は、もちろんスキルが必要です。そのため、スキルが低いならスキルアップしてから交渉するのが得策です。

具体的にスキルアップする方法は、

上記が明確にスキルを証明しやすいです。

それらのポートフォリオを提示しつつ、営業に実務経験が積める現場に入らせてもらえないかを、交渉すると良いでしょう。

転職する

2つ目は実務経験が積める現場に転職することです。

営業に交渉しても応じてくれない場合や、そもそも交渉するのが億劫な方は、転職がおすすめです。

エンジニアは1つの会社に長く居続けるよりも、ある程度成長が見込めなくなってきたら、色々な現場を経験した方が幅広くスキルアップしやすいです。なぜなら、現場によって扱う技術は異なりますし、プロジェクトの進め方も違うから。

転職する際は募集要項を入念に確認し、「本当に実務経験が積めそうかどうか」をチェックしましょう。

たとえば、面接時に逆質問がある場合、「もし自分が入社した場合は、どのような業務を担当できそうか」を聞いてみるのもポイントです。

以下でITに強いおすすめの転職サイトをまとめているので、転職を検討している方は、ぜひ活用してみてください。

フリーランスになる

3つ目はフリーランスのエンジニアになって、実務経験を積むことです。

フリーランスはスキルに合った案件を選べます。実務経験を多く積めそうな案件に参画すればOKです。

フリーランスになるなら、実務経験は2年以上はあった方が安心ですね。とはいえ、最低でも実務経験が1年あれば、案件が見つかるケースはあります。実際、僕は1年でフリーランスエンジニアになりました。

僕は会社員時代、実務経験をあまり積めなかった

参考までに、僕の会社員時代の話を軽くさせていただきます。

まず僕は会社員エンジニア時代、実務経験をあまり積める環境ではなかったです。

具体的には、「毎日の社内清掃」「データ整備」「テスター」「ヘルプデスク」「微妙な改修」「PCキッティング作業」「HTML/CSSコーディング」といった簡単な業務が中心だったんですよね。

半年ほどは、リプレイス案件(システムのリニューアル)に参画していましたが、まともに実務経験が積めたのはこのリプレイス案件くらいです。

なので、もっと実務経験を積むために、フリーランスの開発案件をエージェントに紹介してもらいました。その後にエージェント経由でフリーランスに独立し、そこからスキルアップしていったんです。

フリーランスになったことで、実務経験を積むことができて、収入も会社員時代よりも倍以上に増えていきました。

なので、実務経験を積むためにフリーランスエンジニアになるという選択肢もありです。

下記で僕が使ってみて良かったフリーランスエージェントを厳選しています。フリーランスに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

実務経験を積むにあたっての注意点

これから実務経験を積んでいくにあたり、注意点が2つありますので解説します。

以下2点をみていきましょう。

実務経験が積める会社を見極める

注意点1つ目は、「実務経験が積める会社を見極める」です。

「結局のところ、どうすればエンジニアの実務経験が積める会社を見分けられるの？」

こういう疑問をお持ちの方もいると思います。

結論、以下をチェックしてみると、実務経験を積める会社かどうか見分けやすいです。

開発案件を保有していそうか

その会社が「そもそも開発案件を保有していそうか」をチェックすることですね。

• ホームページの事業内容を見る
• SESなら取引先企業もチェック
• 採用ページの募集要項を見る
• 面接で逆質問する

上記のとおり。

たとえば、面接時に「開発に関する具体的な話題」がない場合、その会社は開発案件を保有しているかどうかが不明です。

開発案件を保有していなければ、もちろん実務経験は積めないです。

募集枠は技術職か

募集枠は「技術職かどうか」を確認するのも効果的です。

技術職であれば、具体的な必須スキルや歓迎スキルが書かれているはずです。

上記のイメージですね。

未経験者を歓迎している理由を知る

その会社が「なぜ未経験者を歓迎しているのか」を知ることも重要です。

たとえば、ヘルプデスク要因のために未経験者を募集しているなら、実務経験は積めないと判断できますよね。

では、どうすれば未経験者の歓迎理由を把握できるかというと、これは面接で聞くしかないでしょう。

上記のイメージですね。

ヘルプデスク要因枠の企業の例

もしヘルプデスク要因枠で未経験者を募集している企業なら、むしろ企業側もなるべくトラブルは避けたいところが多いので、逆に向こうから面接の時に

• 「1年はテスター中心でやってもらいます」
• 「最初はコールセンターやってもらいます。それでもいいですか？」
• 「3ヶ月はヘルプデスクしてもらいます」

という感じで説明してくるケースが多いです。

なのでそういうふうに言われた場合は、期待せずに丁重にお断りするのが無難かなと。

面接で実務経験に関する具体話はあるか

面接で実務経験に関連する具体的な話があるのかも、見るべきポイントです。

たとえば、そういった話が全くなくて、面接も15分や30分程度で終わるようであれば注意が必要です。応募者の人柄や詳細を知ろうとしない企業は、「とりあえずの人材確保」として募集しているケースが予想されます。

なので、実務経験が積める可能性は低いです。

企業のホームページを入念にチェックする

企業のホームページを入念にチェックすることも大事です。

「その会社はどういう理念で、どういう方向性で運営しているのか」をみるといいでしょう。

• 経営理念
• 事業内容
• 採用募集枠

上記は要確認ポイントです。

これらをじっくり見ることで、「企業が向かう方向性」「それに伴い必要としている人材」が見えてくる場合があります。

教育体制が整っている

これは未経験者歓迎の場合に確認すべきですが、「そもそも教育体制が整っているかどうか」を見るのも大事です。

たとえば「未経験者歓迎」と書いているのに、教育体制が整っていないと、新人は育ちにくいですよね。そして企業は教育する意思があまりないということなので、それだと実務経験も積みにくいです。

教育体制がどうなっているかを見分ける方法は、やはり面接で逆質問するのが良いかと。

上記のとおり。

これらの質問をすることで、企業の教育体制がわかる場合があります。

ぜひ参考にしてみてください。

実務経験が積めない時のNG行動

これから実務経験を積むにあたっての注意点2つ目です。

僕が思う「実務経験が積めない時にやりがちな微妙な行動」をお伝えします。

副業で経験を積もうとしている

エンジニアの実務経験が積めない時に、副業で実務経験を積もうとするのは、あまり得策とはいえませせん。

ネットを見ると実務経験を積むなら、エンジニアの副業をおすすめする人がいます。でも、僕は正直おすすめしないです。

なぜなら、エンジニア向けの副業案件のほとんどは、豊富な経験を持っているエンジニア向けだからです。まず、実務未経験者が副業案件を獲得するのは難しいです。

たとえば、HTMLやCSSを使った簡単なWebサイトのコーディング案件なら、未経験者でもクラウドソーシング等で案件を取れるケースはあります。

ですがHTMLやCSSで案件をこなしたとしても、実務経験が積み上がるとは限らないです。理由としては、コーディングとエンジニアが行う実務は似て非なるものだからです。

現場でしか学べないことが多いので、現場での実務経験が重要視されています。なので副業案件を探すことに時間と労力を使うのがもったいないですね。

それなら、実務経験が積める企業に入るための転職活動をすることに、時間と労力を費やす方が効率がいいです。

実務経験を積むための行動をしていない(長期的に独学している)

実務経験を積めないから、「長期的に独学」をしているケースも得策と言えないです。

独学でスキルアップすることはもちろん大切なので、継続はすべきです。ですが、独学もしつつそれとセットで実務経験を積める企業を探すことがポイントですね。

なぜなら、いくら独学をしても実務経験は一向に積めないから。ある程度の水準まで基礎スキルを高めたら、実務経験を積める環境に移行する方が良いです。

もし実務未経験者の方であれば、3〜6ヶ月くらいをスキルアップの独学期間と設定し、それからポートフォリオを作って転職活動をするのが王道ルートです。経験者の方は、いまからでも実務経験が積める現場探しをすると良いでしょう。

まとめ：実務経験が積める環境への移行を優先しよう

ITエンジニアが実務経験が積めない原因と、実務経験の積み方について解説しました。

エンジニアとして価値を高めていくなら、「実務経験を積む」ことに、こだわり続けると良いでしょう。IT業界は実力主義の世界なので、スキルの有無による市場価値の差は大きいからです。

現在IT企業に勤めている方は、スキルアップしてポートフォリオを作成し、自社の営業に実務経験を積める案件に入れるかどうか交渉してみるのも効果的です。

他にも、実務経験が積める企業に転職するか、フリーランスになって実務経験を積み上げていく道もありですよ。

以下でIT転職に強い転職サイトとエージェントを紹介しているので、転職を検討される方は参考にしてみてください。

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