SESのヘルプデスクはスキルが身につかない理由と対策3つ

SESのヘルプデスクはスキルがつかない|抜け出すべき理由と対策
読者

手に職をつけるためにIT業界に入ったけれど、SESの客先常駐でヘルプデスクばかりさせられている。全然スキルが身につかないし、将来が不安だなぁ。

こんなお悩みにお答えします。

ご紹介する「SESのヘルプデスクはスキルがつかない理由と対策」をお読みいただければ、具体的にどうすればスキルを身につけられるのかがわかりますよ。

僕は現役のフリーランスエンジニアとして、Webアプリ開発をしています。友人でSESのヘルプデスクをやっていた方もいるので、今回はそちらの実例も交えてお伝えしますね。

記事の前半で「ヘルプデスクはスキルが身に付かない理由」を解説し、後半で「対処法」をご紹介します。

SESのヘルプデスクは単純作業や専門知識を必要としない業務が多く、スキルアップに繋がりにくいです。

ぜひ最後までお読みいただき、今後のキャリア形成の参考にしてみてください!

本記事の執筆者:シン
shin

現役フリーランスエンジニア
Java Gold/Silver保有
TypeScript(Vue.js)
Java(SpringBoot)

目次

SESのヘルプデスクとは

まずSESとは、システムエンジニアリングサービスの略です。自社の社員を他社に紹介し、客先常駐で業務を行います。

そして、SESのヘルプデスクとは「客先常駐でヘルプデスクを行うこと」を指しています。

SESのヘルプデスクとは?
ヘルプデスクとは

コールセンター
テスター
データ整備
問い合わせ対応
その他、単純作業

ヘルプデスクとは、主に上記の業務を行うことです。これら1つ1つの仕事自体は、一見するとよくある一般職ですよね。SES業界で昔から問題になっているのは、長期間にわたり自社の社員に「ヘルプデスク業務しかさせない」ということです。

本人は開発がしたくて入社したのに、ずっとヘルプデスクをさせられているという悪質なケースが、一部の企業であります。

SESのヘルプデスクはスキルがつかない【抜け出すべき理由】

SESのヘルプデスクはスキルが身につかない

SESのヘルプデスクは、専門的なスキルが身につかないです。もしあなたがヘルプデスクをしていて、今後も実務経験を積める見込みがない場合、抜け出すべきかと。

その理由を3つご紹介しますね。

  • 技術を必要としない業務だから
  • 一生這い上がれない可能性が高い
  • 市場価値が上がりにくいから

1:技術を必要としない業務だから

ほとんどのヘルプデスク業務は、専門的な技術を必要としないです。ヘルプデスクは単純労働が多く、比較的に難易度の低い業務が多いからですね。

たとえばコールセンターは、電話応対のマニュアルを覚えつつ、業界知識を身につければ難しい仕事ではありません。実際に僕は前職は販売員でしたが、毎日電話対応をしていたことがあるのでわかります。

もちろんコールセンター業務も、顧客の要望に応えなければならない大切な職業の一つです。対人スキルも必要ですし、決して簡単な仕事ではないです。でもあなたが「技術者」として成長していきたいのであれば、エンジニアとしての実務経験を積みたいですよね。

2:一生這い上がれない可能性が高いから

SESのヘルプデスクは、一生はい上がれない可能性が高いです。ヘルプデスクは単純労働なので、スキルが身につかないからですね。

客先常駐でヘルプデスクを続ける→いつまでもスキルが身につかない→スキルがないのでヘルプデスクをさせられる。

上記の通りで、いまのヘルプデスクを続けている限り、ずっと抜け出せないループに陥る可能性が高いのです。

もちろんヘルプデスクという仕事にやりがいを感じていたり、特に高望みはしていないというのであれば問題ではありません。でも、この記事を見ているということは、あなたは「スキルも収入も上げたい」と思っているのではないでしょうか?

繰り返しですが、スキルや収入を上げたいのであれば、実務経験を積む必要があります。その解決策は後述しますね。

とはいえ、一時的にヘルプデスクならOK

ヘルプデスクはエンジニアとしてのスキルは身につきませんが、一時的にヘルプデスクをさせられている場合は特に心配はいらないかと。たとえば僕は、エンジニア1年目の頃は「ヘルプデスク系の仕事が3割ほど、開発が7割」といった感じでした。

エンジニアといっても、ずっと実務経験を積ませてもらえるわけではなく、要所要所でテスターや雑用が入ることはありますね。きちんと実務経験も積ませてもらえている場合は、そんなに焦らなくてOKかなと。

3:市場価値が上がらないから

SESのヘルプデスクをずっと続けていても、市場価値はあがりません。ヘルプデスクは難易度の低いテスターやデータ整備などの案件が多く、エンジニアではなくても仕事ができるからです。

実際、転職サイトdodaによると、ヘルプデスクの平均年収は「297万円」との結果が出ています。

dodaヘルプデスク平均年収
画像引用元:doda公式サイト

一方で、システムエンジニアやプログラマーの平均年収は467万円です。ヘルプデスクを続けていても、スキルが身につかないので市場価値が上がらず、年収もあがりにくいのです。

SESのヘルプデスクはスキルがつかない【実例をご紹介】

SESのヘルプデスクはなぜスキルが身につかないのか、実際に僕が友人から聞いた話を基に、もう少し深掘りしていきますね。

  • K君:SESでサーバーの監視役
  • O君:エクセル等でデータ整備

友人K君:SESでサーバーの監視役

友人K君は、SESでサーバーの監視役を2年ほどしていたそうです。サーバーの監視とは、サーバーを目視で監視する仕事です。K君はもともと開発がしたいといって入社したにもかかわらず、気がつけばヘルプデスクで2年経過していたとのこと。

僕はK君に「入社後に開発をしたいと、営業担当者とかにアピールはしなかったの?」と聞きました。するとK君は「言ったけど、じゃあ何ができますか?と営業担当者に言い返された…。結局、ずっと開発案件に入らせてもらえなかったから、退職をした」とのことです。

SESは案件ガチャと言われている通り、ずっとヘルプデスクをさせられるケースは本当にあるようです。

友人O君:エクセル等でデータ整備

友人O君は、SESのヘルプデスクでデータ整備をしていました。データ整備とは、エクセルなどでデータをまとめたりする、単純作業です。

O君は将来フリーランスエンジニアになりたくて、IT業界に入ったそうです。でもSESのヘルプデスクをさせられ、気がつけば1年が経過していました。

僕はO君に「開発ができる会社に転職をすればいいのでは?」とアドバイスしました。でもO君は「もうこのままでいい」と、当時のフリーランスになるという目標の熱が冷めているように見えました。

ヘルプデスクをさせられている本人は何一つ悪くないです。でもこんな企業があるのは事実なので、それを受け止めて、どうすればいいかを考えることが今後の人生を左右すると思います。

そもそもヘルプデスクに回される理由

そもそもなぜ実務経験を積みたいのにもかかわらず、ヘルプデスクに回されるのでしょうか?

考えられる理由は大きく分けて2つあります。

  • 開発案件がないから
  • 本人に技術がないから

1:開発案件がないから

1つ目の理由は、そもそも所属している会社が開発案件を保有していないからです。所属しているSES企業の営業力が弱く、案件が取れない可能性があります。

案件がなければ、仮に技術力があっても実務経験は積めません。所属の会社で開発案件を保有しているのかどうかは、調査しておくと良いですよ。

2:技術力がないから

2つ目の理由は、「技術力がないから」です。技術力があるエンジニアを、あえてヘルプデスクに回すメリットはないですからね。

  • 技術力がない→ヘルプデスク
  • 技術力がある→開発案件

上記の通りです。

開発案件に入りたいなら、未経験とはいえ、ある程度の水準までスキルは上げておく必要はあります。

SESのヘルプデスクでスキルがつかない時の対処法3つ

それでは、「SESのヘルプデスクでスキルがつかない時の対処法」をご紹介します。

結論として、以下の3つが対処法です。

  • 実務経験が積める会社に転職する
  • 独学して営業にアピールする
  • スキルを身につけて転職する

対処法1:実務経験が積める会社に転職する

今すでに半年から1年ほど実務経験がある方なら、転職すると良いですよ。一番手っ取り早い方法ですね。

実務経験が半年から1年ほどあれば、転職は決まりやすいかと。もし転職するなら、次はヘルプデスクは避けましょう。面接時に以下の項目をチェックしてみてください。

  • 受託開発(SIer)や自社開発企業に転職する
  • 次もSESならヘルプデスクがないか確認する

なるべく受託開発や自社開発企業に転職すると良いですね。受託や自社開発は開発がメインであるケースが多いからです。次もSESにするにしても、ヘルプデスク業務があるところは避けましょう。面接で要確認です。

こんなSES企業は危険

念のため、面接でブラックなSESかどうか見抜く方法をお伝えしておきますね。面接官が以下のワードを使う場合、悪質なSESである可能性が高いです。

  • 最初の1年はテスターです。
  • 最初はヘルプデスクから担当いただきます。
  • 最初はコールセンターから担当してもらいます。
  • 今は開発案件がないので、案件が入ったら参画してもらいます。

上記のどの辺が悪質な可能性が高いかというと、「確約がない」ところです。「最初の1年はテスターです」と言われても、2年目以降に実務経験を積ませてもらえるかなんて信用できないですよね。

実務経験を積ませてもらえる会社はあるので、焦って探さないことが大切ですよ!

以下の記事では、ITエンジニア転職に役立つ転職サイトをまとめていますので、ぜひ活用してみてください。

対処法2:独学して営業にアピールする

2つ目の対処法は、独学して営業にアピールすることです。ヘルプデスクは継続しつつ、空き時間に独学をして技術力を高めておくのです。技術力が身につけば、営業から開発案件を紹介してもらえる可能性が高まります。

たとえば平日は1時間、休日は土日それぞれ4時間ずつとかでもいいので、プログラミングの学習をするなど。

もちろんただ学習するだけでなく、実際にアプリなどを作って営業に見せる必要はありますよ。いくら口頭で「勉強しました」といっても、信用してもらいにくいですからね。

対処法3:プログラミングスキルを身につけて転職する

3つ目は、プログラミングスキルを身につけて転職することです。現時点でスキルがない方は、いきなり転職活動をしても、スキルがないので次もまたヘルプデスクをさせられる可能性があります。

また、所属の会社に期待していても、正直いつ開発をさせてもらえるかなんてわからないですよね。なので、最初から転職することを見据えつつ、独学するかプログラミングスクールにいくかして、まずはスキルを身につけましょう。

以下では、エンジニア転職支援付きのプログラミングスクールをご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ:スキルを身につけるならヘルプデスクを脱出しよう

本記事では「SESのヘルプデスクはスキルが身に付かない理由と対処法」を解説しました。

ヘルプデスクをしていても、スキルは身につきません。一時的にさせられているのなら良いですが、半年も1年もさせられているのなら、その後もずっとヘルプデスクをさせられる可能性は高いです。

本人の希望と全く違うことをさせるSES企業は、残念ながら存在します。そういった企業はなくなれば良いんですけど、、なかなか難しいですよね。会社が変わるのを待つよりも、自分が変わった方が早いです。

実務経験が積める会社は、探せば見つかりますので、まずは行動してみるのが良いですね。

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