現在SESでヘルプデスクを担当されている方からすると、「手に職をつけるためにIT業界に入ったのに、全然スキルが身につかない..。このままだと、将来が不安」と思うのも無理はありません。
それもそのはず。SESのヘルプデスクは、技術を必要としない作業が多く、スキルが身につきにくいです。
そして「スキルがつかないから将来が不安」という考えは、僕は正しいと思っています。
そこで今回は、SESのヘルプデスクはスキルがつかない理由と、いますぐ抜け出すべき理由について解説します。
僕は元SES+受託開発企業でプログラマーをやっていました。現在はフリーランスとしてWebアプリ開発を行なっています。
僕の友人でSESのヘルプデスクをやっていた方もいるので、今回はそちらの実例も交えてお伝えしますね。
この記事を読み終える頃には、「SESのヘルプデスクの抜け出す方法」「エンジニアとしてスキルを高める方法」について知ることができているでしょう。
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
SESのヘルプデスクとは
そもそもSESとは、システムエンジニアリングサービスの略です。自社の社員を他社に紹介し、客先常駐で業務を行うことを指しています。
そして、SESのヘルプデスクとは、「客先常駐でヘルプデスクを行うこと」を指しています。

- コールセンター
- テスター
- データ整備
- 問い合わせ対応
- その他、単純作業
ヘルプデスクとは、主に上記のことです。これら1つ1つの仕事自体は、一見するとよくある一般職。
SES業界で昔から問題になっているのが、長きにわたり社員に「ヘルプデスク業務しかさせない」ということです。
つまり、本人は開発がしたくて入社したのに、ずっとヘルプデスクをさせられているという悪質なケースが一部の企業であるわけです。
SESのヘルプデスクはスキルがつかない!抜け出すべき理由

SESのヘルプデスク業務は、専門的なスキルが身につかないです。
もしあなたがヘルプデスクとしているけど、今後ITエンジニアとして「実務経験」を積みたいのであれば、今すぐ抜け出すべきかなと。
僕がそう思う理由を3つご紹介します。
- 技術を必要としない業務だから
- 一生這い上がれない可能性が高い
- 市場価値が上がりにくいから
抜け出すべき理由1:技術を必要としない業務だから
ほとんどのヘルプデスク業務は、専門的な技術を必要としないです。
なぜならヘルプデスクは単純労働が多く、比較的に難易度の低い業務が多いからです。
たとえばコールセンターは、電話応対のマニュアルを覚え、あとは業界知識を身につければ難しいことではありません。
僕自身、前職は販売員で、毎日電話対応をしていたことがあるのでわかります。
もちろんコールセンター業務も、顧客の要望に応えなければならない大切な職業の一つ。さらに対人スキルは必要ですので、決して簡単な仕事ではないです。
でも、もしあなたが「技術者」として成長していきたいのであれば、専門技術を必要とする業務に取り組むべきですよね。
抜け出すべき理由2:一生這い上がれない可能性が高いから
SESのヘルプデスクは、一生はい上がれない可能性が高いです。
理由としては、ヘルプデスクは単純労働なので、スキルが身につかないからですね。
つまり、
ヘルプデスクを続ける→いつまでもスキルが身につかない→スキルがないのでヘルプデスクをさせられる
上記の通りで、いまのSES企業に所属している限り、一生抜け出せない無限ループ状態に陥る可能性が高いんです。
もちろんヘルプデスクという仕事にやりがいを感じていたり、特に高望みはしていないというのであれば問題ではありません。
でも、この記事を見ているということは、おそらくあなたは「スキルも収入も上げたい」と思っているはず。
スキルも収入も上げたいのであれば、実務経験を積み上げる必要があります。
抜け出すべき理由3:市場価値が上がらないから
SESのヘルプデスクを続けていても、市場価値はほとんどあがりません。
ヘルプデスクは難易度の低いテスターやデータ整備などの案件が多く、教育コストがかかりにくいです。
市場価値が上がりやすいのは、市場規模が大きくて需要がある職業。参入障壁が高いというのも特徴の一つ。
ヘルプデスクは需要はあるかもしれませんが、市場規模や参入障壁の観点で見ると、そこまでかなと。
実際にヘルプデスクの平均年収は、転職サイトdodaによると、297万円との結果が出ています。

一方でシステムエンジニアやプログラマーの平均年収は467万円。
技術職であれば手に職もつきますので、転職もしやすくなります。
SESのヘルプデスクはスキルがつかない?実例をご紹介
SESのヘルプデスクは、スキルが身につかないです。その実例をご紹介します。
実際に僕の友人2人が、SESのヘルプデスクを経験しておりますので、彼らから聞いた話となります。
- K君:SESでサーバーの監視役
- O君:エクセル等でデータ整備
友人K君:SESでサーバーの監視役
友人K君は、SESでサーバーの監視役を2年ほどされていたそうです。
サーバーの監視とは、その名の通り、サーバーを目視で監視する仕事です。
K君はもともと開発がしたいといって入社したにもかかわらず、気がつけばヘルプデスクで2年経過していたとのこと。
僕はK君に「入社後に開発をしたいと、営業担当者とかにアピールはしなかったの?」と聞きました。
するとK君は「言ったけど、じゃあ何ができますか?と営業担当者に言い返された。結局、ずっと開発案件に入らせてもらえなかったから、退職をした」とのことです。
このことからみても、ヘルプデスクだとスキルが身につかないですし、会社に居続けても開発案件に参画できる可能性は低いと思われます。
友人O君:エクセル等でデータ整備
友人O君は、SESのヘルプデスクでデータ整備をしていました。
データ整備とは、エクセルなどでデータをまとめたりする、単純作業です。
O君は将来フリーランスエンジニアになりたくて、IT業界に入ったそうです。しかし、SESのヘルプデスクをさせられ、気がつけば1年が経過していました。
僕はO君に「開発ができる会社に転職をすればいいのではないか?」とアドバイスをしました。
でもO君は「もうこのままでいい」と、当時のフリーランスになるという目標の熱が、冷めているように見えました。
開発案件に入るのは、そう簡単ではないです。
しかし、未経験でもある程度のスキルを磨き転職活動を頑張れば、開発経験が積める会社に転職することは可能です。
そもそもなぜヘルプデスクに回されるのか
そもそもなぜ開発志望にもかかわらず、ヘルプデスクに回されるのでしょうか?
その理由は大きく分けて2つ。
- その1:本人に技術がないから
- その2:開発案件がないから
その1:本人に技術力がないから
ヘルプデスクに回される理由は、シンプルに「技術力がないから」だったりします。
逆に技術力があるエンジニアを、あえてヘルプデスクに回すメリットってないですからね。
- 技術力がない→ヘルプデスク
- 技術力がある→開発案件
上記の通り。
反対にスキルがないのに、いきなりヘビーな「開発案件に放り込まれる」というケースもあるようです。でもこれは、ついていけなくて辛い思いをします。
ただSESでそのようなケースは、あまりないかなと。
開発案件に入りたいなら、未経験とはいえ、ある程度の水準までスキルは上げておく必要はあります。
その2:開発案件がないから
2つ目の理由は、そもそも開発案件を保有していないからです。
所属しているSES企業の営業力が弱く、案件が取れなかったりする可能性はあります。
当たり前ですが案件がなければ、たとえ技術力があったとしても、開発することができませんよね。
そもそも所属している会社で開発案件に入れるのかどうかは、調査しておくと良いかなと。
SESのヘルプデスクでスキルがつかない時の対処法2つ
SESのヘルプデスクでスキルがつかない時の対処法をご紹介します。
結論、以下の2つが対処法です。
- 実務経験が積める会社に転職する
- 独学して営業にアピールする
対処法1:実務経験が積める会社に転職する
1つ目は、実務経験が積める会社に転職することです。一番手っ取り早い方法ですね。
まずは一度、今の会社で開発案件に入れないかどうか交渉してみるのがいいと思います。交渉しても難しそうなら、転職がいいです。
転職するなら、次はヘルプデスクは避けましょう。
面接時に以下の項目をチェックしてみてください。
- 受託開発(SIer)や自社開発企業に転職する
- 次もSESならヘルプデスクがないか確認する
なるべく受託開発や自社開発企業に転職すると良いですよ。受託や自社開発は開発がメインであるケースが多いからですね。
もし次もSESにするにしても、ヘルプデスク業務があるところは避けるべきです。面接で要確認です。
「最初の数ヶ月はテスター」でそこから徐々に開発していくというのであれば、まだマシかもですね。
以下の記事では、ITエンジニア転職に役立つ転職サイトをまとめていますので、ぜひ活用してみてください。
対処法2:独学して営業にアピールする
2つ目の対処法は、独学をして営業にアピールすることです。
ヘルプデスクは継続しつつ、空き時間に独学をして技術力を高めておくと良いです。
技術力が身につけば、営業から開発案件を紹介してもらえる可能性が高まります。
たとえば1日平日1時間、休日は土日それぞれ4時間ずつとかでもいいのでプログラミングの学習をするなど。
スキルさえ身につけば、たとえ所属のSES会社で開発案件に参画できなかったとしても、他の開発会社に転職すればいいです。
プログラミングの独学方法については、以下の記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
開発がしたいならヘルプデスクは早めに脱出しよう:まとめ
SESのヘルプデスクでは、スキルが身につきません。
ですので、実務経験を積み上げたい方は、早急に脱出すべきです。
スキルを身につけて営業にアピールするか、開発経験が積めそうな会社に転職するという選択肢もありです。
未経験から開発エンジニアになるのはそう簡単な話ではないので、まずは独学で技術力を高めると良いですね。
いずれにせよ、ヘルプデスクを続けていても、市場価値はあがりません。
技術者として価値を高めていきたいのであれば、独学だったり転職活動だったり、行動する必要があります。
今回は以上です。