- 未経験からITエンジニアになったけど、入社して1年で転職するのは早い?
- 未経験の自分を雇ってくれた会社には恩を感じているので、辞めにくいです。
こんな疑問にお答えします。
本記事では「ITエンジニアが実務経験1年で転職するメリットとデメリット」について解説します。
この記事を書いている僕はエンジニア歴5年。実務経験1年で会社員エンジニアからフリーランスエンジニアに独立しました。
エンジニアが最初の会社を1年で転職するのは勇気がいりますよね。1年で転職というと、一般的には早い方ですよね。なかなか一歩を踏み出せない方も多いでしょう。
結論から言うと、エンジニアは実務経験1年で転職することで、大きなメリットを得られる可能性が高いです。とはいえ、逆に1年で辞めない方が良いケースもありますので、詳細は本記事で解説しますね。
記事の後半では、「エンジニアが1年で転職する際の注意点」についても解説します。
ぜひ参考にしていただき、自身の良いキャリアをデザインしてみてください。
ITエンジニアは実務経験1年で転職しても良い理由

前提として、実務経験1年で転職しても良い理由を解説します。
- エンジニアはスキル重視の職業だから
- エンジニアが1年で転職は珍しくない
エンジニアはスキル重視の職業だから
結論、エンジニアはスキル重視の職業だからですね。
- 一般職:勤続年数が評価されやすい
- エンジニア職:技術力が評価されやすい
一般職なら、1つの会社に在籍している勤続年数が評価されやすいですよね。ですがエンジニアは、技術力が重視されるケースが多いです。
エンジニアが実務経験1年で転職活動をした場合
エンジニアが実務経験1年で転職活動をした場合は、
- その1年で何をしてきたのか
- どんなスキルを身につけたのか
これらが重要視されるんですよね。
もちろん実務経験1年というと、2年3年プレイヤーに比べると、技術力は劣っていても仕方ありません。ですが、実務経験1年あれば全くの未経験者よりかは、はるかに技術力は高いです。
なので、実務経験1年でも企業からしたら需要のある人材なんですよね。
エンジニアが1年で転職するのは珍しい話ではない
一般的には1年で転職と聞くと、「早い」という認識している方が多いでしょう。
ですが、エンジニアの場合、1年で転職=そんなに珍しいことではないんですよね。
たとえば、レバテックキャリアの調査によると、1年で転職を考える人は15%いることがわかっています。
レバテックキャリアによるエンジニア転職意識調査によると、入社から3年以内に転職を考え始めたITエンジニアは全体の約44%で、1年以内の場合は約15%となっています
引用元:レバテックキャリア公式ページ
エンジニアは実務経験1年あれば需要があるので、いまより好条件で転職できる可能性が高いです。
ITエンジニアで1年で転職しない方が良い人の特徴

1年で転職しない方が良い人の特徴は以下の通り。
- 会社で学べる技術がまだある
- 適正に評価してくれている
会社で学べる技術がまだある
あなたが「スキルアップ」を希望している場合、会社で学べる技術がまだあるなら、1年で辞めない方が良いですね。
今の会社で学び切ってから転職した方が、経歴に傷をつけずにスキルアップができます。
たとえば、今勤めている会社で、1ヶ月後に新たなプロジェクトがスタートする予定としましょう。
そうとわかっているのであれば、あと1年か2年くらい開発経験を積んでスキルアップしてから、また転職を考えれば良いかなと。
自身のスキルを適正に評価してくれている
当たり前のことですが、会社で適正に評価されている方は、辞める必要はありません。
とはいえ、1年で適正に評価されている人は、果たしてどのくらいいるのかという話にもなってきますが…。
1年で転職した方がいい人は、以下に当てはまる人ですね。
- 適正に評価されていない
- 給料が低すぎる
- 人間関係が悪い
- これ以上成長できそうにない
たとえば、入社1年目と2年目の給料が5千円しか増えていないとか、周囲の自分への対応も相変わらず雑でストレスが溜まっているとかなら適正に評価されていないといえます。
逆に言うと、適正に評価してくれているかどうかを判断するなら、給料が一番わかりやすいかなと。
入社当時よりもはるかに給料があがっているのであれば、それは適正に評価されているとみて良いでしょう。
ITエンジニアが実務経験1年で転職するメリット

エンジニアが実務経験1年で転職するメリットは以下の通り。
- 収入の増加が見込める
- 社内の評価ギャップを解消できる
- 人間関係をリセットできる
収入の増加が見込める
収入の増加が見込めるのは大きなメリットかなと。
ITエンジニアは、たった1年の実務経験を積むだけでも、市場価値は上がります。なので転職時に年収アップを実現しやすいんですよね。
IT業界は深刻な人手不足なので、1年でも開発スキルがあるエンジニアは貴重な人材です。
社内の評価ギャップを解消できる
社内の評価ギャップを解消できるのも、1年で転職するメリットのひとつです。
「社内の評価ギャップ」とは何かというと、1年経過したのに評価があまり上がっていないということです。
まず、多くの会社は初級エンジニアを安月給で雇います。なぜなら、初級エンジニアは最初は技術力が低く、戦力不足だからです。会社にとって利益がプラスになりにくいので、高い給料を出すのはリスクがあるんですよね。
入社してまだ3ヶ月や半年くらいなら、安い給料で雇い続けるのもわかります。でもエンジニアって1年ほど経験を積めば、ある程度戦力になるはずなんですよね。
でも上司は「入社当初の新人エンジニアの印象」を根強く持っている可能性が高いです。
だから成長に気づいてもらえなくて、評価が上がらない人は多いんじゃないかと。評価されなければ、給料も上がらないというわけですね。
なので、1年で転職することで、評価ギャップを解消できるというわけです。
人間関係をリセットできるから
人間関係をリセットできるのも、1年で転職するメリットです。
まず1年目のエンジニアは、昔ながらの考えにとらわれたエンジニア(以降は古風エンジニアと呼びます…)から、1年経っても「まだまだ仕事ができないやつ」と思われているケースがあります。
古風エンジニアは、自分に厳しくて職人気質な傾向にあります。プライドが高く、全て自分視点で考えるんですよね。
なので、新人が1年の経験を積んでめちゃくちゃ成長していたとしても、「古風エンジニアが思う基準」を満たせていなければ、評価されにくいんですよね。
例えば、僕が過去に勤めていた会社にも、古風エンジニアはいました。1年経った僕に雑用を任せた上、少しでもできがわるいと文句の嵐でしたね。
- 「そんなんじゃいつまで経っても成長できないぞ」
- 「なんでそんなこともわからないんだ。わかるだろ!!」
という対応だったんですよね。古風エンジニアは特に、古い技術を扱うSESやSIerなどによく存在している印象があります。
このような古風エンジニアに消耗している新人エンジニアは、わりと多いんじゃないでしょうか。
なので、そういう時は経験を1年積んでから転職し、人間関係をリセットすることでストレスを減らせます。
選べる仕事の範囲が広がっている
1年の経験があれば、実はある程度仕事が選べるようになっています。
理由としては、実務経験1年のエンジニアは、十分戦力になることが多いからです。
- 実務経験1年のエンジニア:一人称で開発はできないが、上級者の指導のもとであれば、ある程度の仕事はこなせる。
- 未経験エンジニア:一人称で開発もできない、上級者の指導のもとでも開発できない。もしくは指導があれば開発できるが、付きっきりとかになる。
おそらく上記のイメージですね。
経験1年あれば戦力になるので、案件もある程度選べるようになっているはずです。
なので、技術力を高めたい方は、スキルアップしやすいスタートアップ案件に参画するのも良いでしょう。収入重視の方なら、より給料のいい会社に転職すると良いかなと。
参考:僕が経験1年でフリーランスエージェントに相談した結果
現に僕は実務経験を1年積み、フリーランスエージェントに相談した結果、1ヶ月で40社の案件を紹介してもらえました。
紹介いただいたのは、ほぼ大阪の案件なので、東京に住んでいればもっと多かったのかなと。
僕はフリーランスになりましたが、正社員でも普通に実務1年あれば案件はわりとあるはず。
会社員エンジニアとして、いまより良い条件で転職を希望している方は、以下のおすすめのIT転職サイトを参考にしてみてください。

フリーランスにも興味がある方は、以下記事で僕が実際に利用したフリーランスエージェントをまとめていますので、参考にしてみてください。

ITエンジニアが1年で転職するデメリット

1年で転職する際のデメリットも2つ解説しますね。
- 1年なので仕事の幅はあまり広くない
- 1年だと自信がつきにくい
1年なので仕事の幅はあまり広くない
1つ目のデメリットは、1年だと仕事の幅はあまり広くないところです。
もちろん実務経験1年のエンジニアは、未経験者と比べて圧倒的に仕事の幅は広がる可能性は大です。
- 未経験からエンジニア転職:難しい
- 実務経験1年で転職:普通
- 実務経験2年〜3年で転職:わりと簡単
- 実務経験4年〜5年以上で転職:簡単
こんなイメージでしょうか。1年あれば、未経験ほど案件探しに苦労することはないと思います。
ただし、1年って微妙なラインなので、面接官によって2手に分かれるんですよね。
- 「1年じゃスキルが足りない」と思う面接官
- 「1年あるならOK」と思う面接官
ちなみに上記の根拠は、僕が実際に経験1年の状態でフリーランスエンジニアの面談を5社ほど受けてみて体感したからです。正社員転職ではないですが、正社員もフリーランスもそんなに変わらないと思います。
むしろ、フリーランスの方が即戦力が求められるので、正社員転職より難しいはず。そのフリーランスの面談で「1年でも経験あるならOK」という感じだったので、正社員ならもっとイージーじゃないでしょうか。
1年だと技術力に自信がつきにくい
2つ目のデメリットは、1年だと自分の技術力に対して、自信がつきにくいところです。1年って長いようで短いからですね。
僕は実務経験1年積んで、フリーランスエンジニアになりましたが、当時は正直言って自分の技術力に自信はなかったです。それでも現場に飛び込めば、人は環境になれる生き物なので、まぁなんとかなります。
そもそも企業は、実務経験1年のエンジニアのレベルがどのくらいなのかは、スキルシートとか見ればわかります。技術力に自信がないからといって心配はいらないかなと。
逆に1年で自信がある人のほうが珍しいと思います。自信がないなら、これから努力すればOKです。
恩返しできていないから辞めづらいという気持ちへの対処法

会社に恩を感じていて、辞めづらいと思っている方もいると思います。
「未経験の頃の自分を拾ってくれた会社だから、1年で転職はしづらい…」という気持ちをもつことは、自然なことです。
とはいえ、自分の人生なので、自分を軸にして決めるべきかなと。
- 1年でも恩返しは可能
- 会社のために生きているのではないはず
- スキルに見合わない待遇を受け入れるリスク
1年でも恩返しは可能【できる範囲でやろう】
恩返しを考えている方は、まだ恩を返せていないと言うことですよね。
僕は1年でもある程度の恩は返せると思っています。たとえば、以下のような業務を率先してやるとかです。
- 早めの納品、社内清掃
- 電話対応、来客対応
- データ整備、テスター
- 残業(おすすめはしない)
会社に貢献できることって、ベテランエンジニアのように、開発をバリバリこなすこと以外にもあります。
なので「恩返ししないと」という考えに縛られて、一歩踏み出せないまま人生の貴重な時間を無駄にし続けるのは、もったいないですね。
なので会社を辞めるまでの間、「今の自分が会社に貢献できることは何か?」を考えて行動する方が、あなたも会社もどちらにもメリットがあります。
会社の為に生きているのではないはず
多くの方は「自分のため」「大切な人を守るため」に生きていると思います。
でも無意識のうちに、「会社中心の人生」になっていて、「会社のために生きている」という方はいるかなと。そういう時は、考え方を少し変えると良かったりします。
たとえば、自身が成長して稼げるようになれば、「家族や恋人、仲のいい友人や大切なペット」たちに価値提供できますよね。家族を旅行に連れて行ってあげたり、ペットに好きなおもちゃを、値段を気にせずに買ってあげたりとか。
会社の資産を積み上げても、自分の資産は積み上がらないです。なので、恩返しを考えるよりも、「自分が成長して周りに価値提供する」と考えることが得策ですね。
スキルに見合わない待遇を受け入れ続けることのリスク
会社によってはエンジニアを恩で縛るわりに、市場価値に見合った給料を渡さないところが多いんですよね。
あなたが適正な評価を受けていないのであれば、「そもそも評価しない会社はどうなのか?」を論理的に考えるべきではないでしょうか。
実務経験1年で、そこそこ業務ができるようになってきたのにもかかわらず、給料は新人の時とほぼ変わらないなんてことは、よくある話です。
新人の頃は、仕事ができないので給料が低くて当たり前です。でも、ある程度戦力になってきたら、それに伴って給料も渡すべきですよね。
なので、「適正に評価してくれない会社にいるメリットは何か?」を考えると良いのではないでしょうか。
1年で転職を決める前に確認すべき注意点4つ

1年で転職を決める前に、確認すべき注意点を4つご紹介します。
- 正社員・フリーランス・派遣の違いを把握する
- 1~2ヶ月前には会社に伝えておく
- 転職サイトやエージェントは1つに頼らない
- 次の転職先が見つかってから辞める
正社員・フリーランス・派遣の違いを把握する
この記事を読んでいる方は、おそらく正社員転職を希望している方が多いとおもいます。
そしてエンジニアは正社員以外にも、フリーランスや派遣といった働き方も可能です。
これを機会に、自分に合った働き方を探してみてはどうでしょうか。
- 正社員:安定を求めつつスキルアップができる
- フリーランス:大きく稼ぎつつスキルアップもできる
- 派遣エンジニア:派遣エンジニアは微妙です
正社員:安定を求めつつスキルアップができる
安定とスキルを手に入れたい方は、正社員エンジニアがおすすめです。
正社員は福利厚生や税金面でも有利ですし、何よりクビになる可能性が低いので安定しているからですね。
実務経験1年積んでいれば、即戦力としても歓迎されやすいです。自身がやりたい案件の求人に応募すればOK。
安定と技術を手に入れたい方は、正社員エンジニアとして転職しましょう、
フリーランス:大きく稼ぎつつスキルアップもできる
実務経験1年あれば、フリーランスエンジニアという選択肢もあります。
フリーランスエンジニアのメリットは、大きく稼ぎつつ、スキルアップもできる点です。
フリーランスは不景気の際に切られるリスクがありますが、その分正社員に比べて給料が高い傾向にあります。
さらにフリーランスは、正社員のように社内清掃や電話対応といった雑用も、任されないです。その分、開発に専念できるので効率よくスキルアップできます。
なので、収入と技術力を同時に高めたい方は、フリーランスエンジニアもありかなと。
フリーランスのメリットとデメリットは、以下記事で詳しく解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

派遣エンジニア:派遣は微妙です
結論として、派遣エンジニアは微妙です。
まず、派遣エンジニアは、フリーランスよりも時給が低い傾向にあります。でもフリーランスと業務内容が大して変わらないんですよ。
そもそも実務経験1年だと、派遣エンジニアになるにはハードル高いです。実際、僕は実務経験1年で、派遣会社に複数登録しましたが、2ヶ月経って面談まで進めたのはたった1件だけ。
一方、フリーランスエージェントからは、実務経験1年でも1ヶ月で40社紹介してもらいました。
では、なぜ経験1年だと派遣エンジニアは案件が少ないのかというと、理由は以下の通り。
ベテランエンジニアたちが、正社員で給料が上がらないので転職したい→正社員はもういいかな…→でもフリーランスはなんとなく怖い→じゃあ派遣エンジニアになろう
というケースが多く、良い案件はベテランに持っていかれているんですよね。
なので派遣エンジニアになるくらいなら、フリーランスになった方が案件も見つけやすいですし、収入も上げやすいです。
1~2ヶ月前には会社に退職の意向を伝えておく
注意点2つ目は、1~2ヶ月前には会社に退職の意向を伝えておくことです。
できれば2ヶ月前には伝えておきましょう。退職の手続きや、業務の引き継ぎなどあるからです。
当然ですが、辞める時はなるべく迷惑をかけないようにした方が良いですからね。
なので、なるべく余裕を持って会社に退職の意向を伝えておきましょう。遅くても1ヶ月前には伝えておくといいかなと。
転職サイトやエージェントは1つに頼らない
転職活動をする上で、転職サイトやエージェントは、1つに頼らないようにしましょう。
理由は主に以下の通り。
- 転職サイトによって案件が異なる
- エージェントによって営業力や案件に差がある
僕自身も最初は派遣サイトに登録していたのですが、全然案件紹介してくれなかったので、3つ4つと他のサイトに登録しました。紹介してくれないのに、ずっと待っていても、ただ時が過ぎていくだけですからね。
1つのサイトに頼らず、複数のサイトに登録をし応募の数を増やすことが、より好条件で転職するためのポイントです。
エンジニアにおすすめのIT転職サイトは、以下記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

次の転職先が見つかってから辞める
次の転職先が見つかってから辞めましょう。
辞めてから転職活動をして、万が一案件が決まらなかった場合、収入がストップになるので金銭的にきつくなりますからね。
失業保険がもらえるならいいかもしれませんが、次の仕事が決まってから辞める方が安心できますよ。
また、辞める時は会社に「次の案件決まってから辞めたい」と交渉しておくのも、ありですね。
会社側も、「なるべく長く残ってもらいたい」という場合もあるので、別にあつかましいことではないかなと。
まとめ

ITエンジニアとして1年の実務経験を積めば、市場価値は一気に高まります。
- 適正な評価をもらえていない方
- 人間関係をリセットしたい方
- 収入を伸ばしたい
- 環境を変えてスキルアップしたい
上記に当てはまる方は、1年で転職するメリットは大きいです。
「会社に恩を返そう」という意思は素晴らしいですが、自分の人生なので、まずは自分がよくなるための行動を優先していくといいでしょう。
以下でおすすめのIT転職サイトをまとめていますので、ぜひ活用してみてください。

フリーランスに興味がある方は、以下で実務経験1年でフリーランスになるメリットを解説しているので、参考にしてみてください。

今回は以上です。
