「プログラミングスクールの卒業生は使えないって本当?これからスクールを受講しようか迷っているのだけど、どうしようかな。」
こんなお悩みにお答えします。
今回は、「プログラミングスクールの卒業生が使えないと言われる理由」について解説していきます。
僕は現役のエンジニアで、プログラミングスクールの卒業生でもあるため、情報の信ぴょう性はあるかと思います。
結論から言うと、プログラミングスクールの卒業生は、「即戦力としては使えない」です。ただそれは仕方のないことで、重要なのはそこではありません。
記事の後半では、スクール卒業後に企業から「使える人材」と思ってもらうための対策、またスクール卒業後に最短でエンジニアになる方法についてもご紹介しております。
これからプログラミングスクールを受講しようか迷われている方や、既にスクールに通っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
プログラミングスクールの卒業生が使えないと言われる理由
まずは「プログラミングスクールの卒業生が使えない」と言われる理由を、以下4つ解説していきます。
- プログラミング言語の概念を理解していない
- ポートフォリオを自力で作成していない
- 実務未経験に変わりはない
- 自分でロジックを考えてコードを書くことができない
使えない理由①:プログラミング言語の概念を理解していない
卒業生が使えないと言われる理由その①は「プログラミング言語の概念を理解していない」からです。
プログラミングスクールでは、フレームワークの使い方を中心に学ぶことが多いからです。
フレームワークとは簡単に言うと、コードを1から書くのではなく、あらかじめコードがまとまってあるもののことをいいます。
つまり1からプログラミングのコードを書く機会が少なく、言語の理解がどうしても浅くなりがちなのです。
とはいえプログラミングスクールのような短期間で、プログラミング言語の概念を1から理解するには到底時間が足りないので、これは仕方のないことともいえます。
使えない理由②:ポートフォリオを自力で作成していない
卒業生が使えない理由その②が「ポートフォリオを自力で作成していない」からです。
ポートフォリオとは実績を証明するためのもので、自身でWebサイトやWebアプリを作って面接時に「技術力をアピール」するために作成します。
しかし短期間でプログラミングのスキルを身につけたプログラミングスクールの卒業生は、ポートフォリオを1から全て自力で作ることができない方が多いです。
そのため、スクールで作ったものをちょっと改変しただけのものをポートフォリオにされている方が多いのです。
面接官も同じようなポートフォリオを見て、飽きているのが現状です。
使えない理由③:実務未経験に変わりはない
卒業生が使えない理由その③は、「実務未経験に変わりはないから」です。
よくIT業界は人材不足でエンジニアの需要が高まっているといわれていますが、それは実務経験者の需要があるだけであって、未経験者の需要は高くはありません。
多くの企業が求めているのは「即戦力」であることが多いです。
たとえば練習試合しかしたことのないボクサーが、いきなりプロの世界戦で活躍できるか?と言われたら、ほとんどの人は無理ですよね。
それと同じで、未経験者は実務経験を積んだことがないので、就職していきなり戦力として使えるかと言われると、「使えない」というのが事実です。
使えない理由④:自分でロジックを考えてコードを書くことができない
卒業生が使えない理由その④は、「自分でロジックを考えてコードを書くことができない」からです。
これはスクール卒業直後の僕と、僕の知っている同期の方のことです。
多分、他の卒業生も自分でロジックを考えてコードを書くことができなかった方は多いと思います。
ではなぜ自分でロジックを考えてコードを書くことができないかというと、スクールで学べることはプログラミング言語の文法や基礎、フレームワークの使い方が多いからですね。
もちろん自分で考えてコードを書く機会は多少はありますが、やはりプログラミングを実践で使えるレベルまで理解するには、なんといっても「時間が足りない」というのが事実です。
とはいえ独学するとなると、もっと時間がかかるので、結局はスクールに行った方が時間効率は圧倒的に良いです。
プログラミングスクール卒業生が就職後に使える人材になる為の対策
プログラミングスクールの卒業生が使えないのは事実ですが、「じゃあ使えないなら行く意味ないじゃん?」と思う方は少し気が早いです。
確かに卒業生は、「即戦力としては使えない」です。
しかしプログラミングの基礎の土台作りはできていますよね。
つまりスクールに行ったこともなく、独学もしたことのない「全くの未経験者」よりかは、就職がしやすいですし、就職後も「いちはやく使える人材になれる」ということです。
そして下記の通りに事前対策をしていただければ、就職後でも使える人材になることができます。
- フレームワークではなく言語の理解を深める
- コピペをせずに自力でポートフォリオを作る
- 自分でロジックを考えてコードを書く練習をする
- スクール以外でも独学しておく
- プログラミング言語の資格を取る
- 質問の仕方を身につけておく
順番に解説していきますね。
対策①:フレームワークではなく言語の理解を深める
プログラミングスクールでは、Ruby on Railsなどのフレームワークを使うケースが多いです。
もちろんフレームワークも実務で使うことは多いので使えるに越したことはありません。
しかしフレームワークを使うにしても、結局はプログラミング言語について理解していないと使えないです。
なのでフレームワークではなく、プログラミング言語についての理解を深めるための学習をしておきましょう。
対策②:コピペをせずに自力でポートフォリオを作る
ポートフォリオを作る際は、コピペではなく、全て1から自力で企画してコードを書いてみてください。
フレームワークは使わなくても良いです。
1からコードを書くには、プログラミング言語の書き方を理解していないとできません。
つまりそれができるということは、「他のプログラミングスクール卒業生よりも技術力がある」という証明になります。
なので、面接でとても有利になります。
対策③:自分でロジックを考えてコードを書く練習をする
ポートフォリオを作る際に、自分でロジックを考えてコードを書く練習をしてみてください。
たとえばRuby on Railsであれば、ログイン画面を一瞬で作ることができる機能がありますが、あえてそれを使わずにRubyで1から書いてみるといった感じです。もちろんググりながらでOKです。
未経験者がRubyでログイン画面を1から作成となると、結構な時間がかかります。でも、たとえできなくても、「どうすればログインができるようになるのか?」を考えるので、論理的思考力が身につきます。
この思考力を身につけておけば、今後あなたが会社に就職した後に必ず効いてきます。
対策④:スクール以外でも独学しておく
スクール以外でも独学はしておくべきです。
なぜならスクールは短期間の学習なところが多く、短期で学べるものには限りがあるからです。
たとえばスクールで学んだことの復習でもいいと思います。
プログラミングは覚えることが多く、スクールで学んだことも、1ヶ月後には忘れているというケースもあります。
なのでスクール以外でも自習はしておきましょう。
対策⑤:プログラミング言語の資格を取る
プログラミング言語の資格をとるのも良いですね。
たとえばJavaであれば、Java Silverあたりが良いでしょう。未経験者でも合格している方はいます。
面接官からすると、資格を持っているのと持っていない人とでは、明らかに持っている人の方を採用したいはずです。
僕自身の会社でも、資格を持っていると給料が上がる仕組みになっており、それほど資格保有者は重宝されています。
とはいえ、未経験者が言語の資格をそんなにすぐには取れないと思います。
なので就活をしつつ資格勉強も進めていき、就職後も継続していくと良いでしょう。
対策⑥:質問の仕方を身につけておく
質問の仕方も身につけておきましょう。
エンジニア転職すると先輩に質問する機会が多いからですね。
たとえば質問力がない例としては、「ここのこれってどうしたらいいですか?」のような質問をしがちです。
しかしこれだと使えないやつ認定されてしまいます。なぜかというと、「これ」とか「ここ」とか指示語が多く、理解しにくいのが一つ挙げられます。また自分で仮説を立てたりもせず、いきなり「どうしたらいいですか?」の答えを求めています。
質問をするにしても、まずは自分で考えた上で「自分はこう思っているのですが、この考えって合っていますか?」と聞く方が優秀です。
どうしても分からない場合でも「自分はこう思っていて、これを試したんですけどうまくいきませんでした。何か他に解決策はありますか?」といったような聞き方をすると、先輩から「お、この人は自分でちゃんと考えられる人なんだな」と思ってもらいやすいですよ。
プログラミングスクール卒業後に最短でエンジニア転職する方法
プログラミングスクール卒業後に、最短でエンジニアに転職する方法を解説していきます。
結論、下記の通りにしていただければ余計な遠回りをせずにエンジニアになることが可能です。
- 就職活動を先延ばしにしない
- 面接練習を入念にする
- 就活中も自習する
- 就職先企業へのこだわりをすてる
順番に見ていきましょう。
その①:就職活動を先延ばしにしない
プログラミングスクールを卒業したら、就職活動を先延ばしにしないようにしましょう。
なぜなら就職活動を先延ばしにすると、いつまで経っても就職できないからです。
たとえば僕の場合、「スクールは卒業したけど、なんか技術力がまだ不安だなぁ。もう少し独学してから応募しよう」と考えていたのですが、これは失敗でした。
結局のところ実務未経験者が独学を数ヶ月したところで、実務未経験には変わりないです。
それよりもどんどん企業に応募をしつつ、空いた時間は学習をして、とかの方がマシですよ。
以下の記事では、IT転職に強いサイトをまとめていますので、複数登録してどんどん企業に応募してみてください。
その②:面接練習を入念にする
面接練習は入念にしておきましょう。
応募する企業によっても志望動機の伝え方なども変わってくるからですね。
面接練習は、事前の練習と事後の練習をしておくと良いですよ。
下記記事では、エンジニア転職の面接できかれる質問をまとめております。
その③:就職活動中も自習する
就職活動中も自習はしておきましょう。
面接官は就職した後でも、自分で学習する能力はあるのか?をみています。
実際に未経験者の面接時に「プログラミングスクール以外でも自習していることはあるか?」といった質問はよくされます。
根本的な問題として、エンジニアになった後でも、自習していかないとついていけないです。
なので就職活動中であっても、空き時間は自習しておきましょう。
その④:就職先企業へのこだわりをすてる
既に就職活動を進めている方で、「面接に受からない」「書類選考の段階で落とされる」という場合、一旦就職先企業へのこだわりは捨てた方がよいです。
というのも、未経験からエンジニアになるにはハードルが高く、未経験者が選べるほど壁は低くないからですね。
なのでプログラミングの開発経験が積める会社であれば、1社目は極論どんな会社でも良いです。
そこで1年〜2年ほどスキルを身につけてからまた転職をしたりフリーランスになったりと、キャリアアップしていけば問題なしです。
プログラミングスクール卒業生はポテンシャル採用:まとめ
プログラミングスクールの卒業生は即戦力としては使えません。
しかし全くの未経験者より使えるのは事実ですし、卒業生の全員が使えないということでもありません。
企業としても、スクールの卒業生に即戦力はそこまで求めていないです。ポイントは面接官の立場に立ってみることです。
「この人は今後うちの会社に入って成長し、会社に利益をもたらしてくれるのか?」といった感じですね。
卒業生でも卒業生でなくても、ポテンシャル採用に変わりはないので、あなたの「やる気」を面接時にアピールしましょう。
そして就職後もいちはやく成長できるように、自宅でも学習をしたり、質問の精度を上げたり努力していけば「使える人材」になっていきます。
今回は以上です。