「エンジニアだけど質問するのが苦手だなぁ。上手な質問の仕方を教えて欲しい」
こんな疑問に答えます。
ITエンジニアは複雑な処理や難解な用語が多いため、質問をする際は、相手にストレスを与えないことがポイントです。
しかし、新人エンジニアのなかには質問力がなく、よく上司を困らせてしまう方もいると思います。
上司にストレスを与えると、嫌われてしまい、人間関係の悪化につながります。人間関係が悪化すると、今度は「質問が怖くてできない」という状況にもなりかねません。できればそれは、避けたいですよね。
そこで本記事では、「エンジニアは質問力が必要な理由」「的確な質問の仕方」についてご紹介します。
僕自身、大阪の開発会社でフリーランスエンジニアをやっています。質問力に関しては自信があるので、わかりやすく解説しますね。
この記事をお読みいただくことで、質問が下手な方でも、すぐに質問力を向上させることができますよ。
ぜひ最後までご覧いただき、試してみてください。
ITエンジニアは質問力が必要な理由
結論から言うと、エンジニアは質問力が必要な理由は、以下の2点です。
- 的確な質問は作業効率が高まる
- 下手な質問は相手の時間を余計に奪う
的確な質問は作業効率が高まる
質問力があると、的確な質問をすることができます。的確な質問ができると、作業効率が格段に上がります。
質問力のある人は、ピンポイントでわからないことが聞けるので、余計な時間がかかりません。
特にIT業界は難解な用語や事象が多いため、より相手に"伝わる"ように、わかりやすく説明する必要があります。
的確な質問ができることで、スムーズにコミュニケーションを取ることができます。その結果として、作業効率が高まるのです。
下手な質問は相手の時間を余計に奪う
質問をする時点で、「相手の時間」を奪います。下手な質問は、余計に相手の時間を奪ってしまうのです。
たとえば、以下のような丸投げの質問は、典型的な悪い例といえます。
質問の悪い例
すみません、エラーが出てしまったのですが、どうすればよいですか?
上記のどこが悪いのかというと、具体的には以下の部分が足りていないです。
- エラー名は何なのか
- 何をしていてエラーになったのか
- 自分は何を調べたのか
- 何を試したのか
つまり、「自分で労力をつかわず、相手に丸投げをしてしまっている」ということです。
この典型的な悪い質問の例では、相手の時間を奪うばかり。自分の頭で考えていないので、自身は成長することができません。丸投げの質問は避けた方が良いですね。
では良い質問の仕方について、次以降で解説していきます。
ITエンジニアの良い質問の仕方とは?
エンジニアの良い質問の仕方について、以下の順でご紹介していきます。
- 質問をする前に考える
- 質問事項を一文で書き出す
- 問題を具体的に書き出す
- 文章or対面かを切り分ける
- 質問の例(テンプレート)
最後に質問のテンプレートも用意しました。順番に見ていきましょう!
その1:質問をする前に考える
1つ目は、質問をする前に「他に何か手段はないのか?」を考えることです。自分で考えることで、自己成長につながります。
例えばわからないことがあった時は、すぐにでも有識者に質問を丸投げした方が、業務が早く進むかもしれません。自分で考えずに相手に質問を丸投げをすることで、自分は少ない労力で問題解決できるので、楽ですよね。
しかし、人間の脳は楽して手に入れた情報には重要性を感じないです。そのため、すぐに人に答えを求めていると、自分の成長につながらないんですよね。
もちろん納期との戦いでもあるので、あまり考える時間がない場合もあるでしょう。不明点はすぐに聞かなければならない時もあります。その辺は状況をみながらで良いですね。
ひとまず質問する前に、「もう何もできることはないか?」と考えてみると良いですよ。
その2:質問事項を一文で書き出す
2つ目は、質問事項を一文で書き出すことです。なぜなら、シンプルに伝えるためです。IT業界は難解な用語や事象が多く、説明が複雑になりがちです。
たとえば、「A」についての回答がほしかったのに、自分が長々と説明をしてしまったせいで、最終的にお互いの話が脱線してしまうケースはあります。結局何を聞きたかったのか、混乱するパターンですね。
先に質問したいことを一文で書いておき、それを真っ先に相手に伝えておくことで、スムーズに問題解決に繋げられます。
その3:問題を具体的に書き出す
3つ目は、起きている問題を具体的に書き出すことです。先程ご説明した、質問事項を一文で書き出した後にやると良いですね。
問題を具体的に書き出すことで、質問する相手が少ない労力で説明を理解してもらいやすくなります。
たとえば、エラーが起きた場合
問題を具体的に書き出す
- エラーが起きるまでの過程
- エラー名
- 調べた内容
- 検証したこと
上記のように、伝えるべきポイントを具体的に書き出してみることです。特に重要なのが、3番目と4番目の「調べた内容」「検証したこと」ですね。
自分で調べたことや試したことを、質問内容とセットで伝えることで、上司から「ここまで頑張ったけどわからなかったんだな」と思ってもらいやすくなります。すると、質問を聞き入れてくれやすくなります。
質問をする際は、問題点を具体的に書き出してみてください。
その4:文章or対面かを切り分ける
質問をする時は、文章でするのか対面でするのかを、状況に応じて切り分けましょう。言葉で説明するよりも、文章で説明した方が良い場合もあります。
文章なら履歴にも残るので、後で見返すことができます。反対に対面で聞いた方が良い時もあり、それは「すぐに解決しそうな内容」ですね。
ちなみにリモートワークをしている方は、基本的にはチャットなので、質問は文面ですることが多いと思います。実際に画面を見せた方が相手に伝わりやすいと思うのであれば、Zoomなどで画面共有をしつつ、質問をすると良いですね。
その5:質問の例(テンプレート)
質問の例をテンプレートにしました。
僕自身、いつも意識しているテンプレですので、よければ活用してみてください。
質問の例
挨拶:お疲れ様です。シンです。
結論:1点お聞きしたいことがあります。〇〇を実装しようとしているのですが、△△というエラーが発生しました。
詳細:〇〇.javaの153行目のプログラムを書いた後に発生しました。エラー名で検索を行った結果、××が原因かと思い、検証をしてみましたが解決に至っておりません。
一言:何か他に考えられることはありますでしょうか?お手数ですがご確認の程よろしくお願いいたします。
上記を解説しますと、まず挨拶をした後に、結論を端的に書きます。次に「どこで」「何をしていて」「どんな問題が起きたのか」「あなたは何を調べたのか」を書きます。最後にお願いの一言です。
上記の質問のテンプレに加えて、以下もセットにすると良いです。
- 問題箇所の画像のスクリーンショット
- コンソールのエラー内容をテキストファイルにコピペして送付
実際に問題の画像とコンソールエラーもセットで見せた方が、圧倒的に伝わりやすいです。
一つ注意点として、情報の漏えいだけはしないよう気をつけてくださいね。
ここまですれば、たとえ新人でも、「伝わる質問」をすることができるはずです。
ぜひ本記事を何度も読み返しつつ、試してみてください。
ITエンジニアの質問についての重要なポイント
質問についての重要なポイントをみていきましょう。
以下の3つを順に解説していきますね。
- 質問は悪ではないことを知る
- 質問しないデメリットを知る
- 質問できる環境に身を置く
質問は悪ではないことを知る
1つ目は、「質問は悪ではない」ということを認識しておくことです。
よく新人エンジニアで、
- 「質問するのが怖い」
- 「質問をして迷惑をかけたくない」
と思う方がいます。ですが、プロジェクトを進めるためには、どうしても質問をしなければならない場面はあります。
質問をすることで、自分自身が成長できますし、自分が成長すれば現場にも貢献することができます。
迷惑だとかを考えるよりも、「自分が成長して後で取り返す」くらいの気持ちで仕事に取り組む方が、10倍スキルアップできますよ。
質問をしないデメリットを知る
質問をしないことのデメリットについても知っておくと良いですね。デメリットを知っておくことで、質問することに対する抵抗が薄れるからです。
たとえば、以下はデメリットだと言えます。
質問をしないデメリット
納期に遅れる可能性が高くなる
やり方を誤り、後で問題になるかもしれない
主に上記の2つがデメリットかなと。何でもかんでも質問するのはよくないですが、考えても調べてもわからないなら質問するしかありません。
また、わからないのに質問をせず、独断で進めるのはよくありません。適当に仕事を進めてしまうと、後でバグが発生してシステムが止まる可能性もあります。そうなると、大問題です。
自分の身を守るためにも、人に迷惑をかけないためにも、必要に応じて質問はした方が良いですね。
質問できる環境に身を置く
質問できる環境に身を置くことは重要です。職場によっては、質問すると異常に怒る上司がいて、なかなかしづらい方もいるでしょう。
質問しやすい相手を見つけておくことも得策です。とはいえ、新人は職場によってはメンターが固定されていて、相手を選ぶのが難しいケースもあるでしょう。
質問しづらい環境だと、なかなか成長もしづらいですし、何よりストレスが溜まると思います。
そんな時は転職するか、実務経験が1~2年以上ある方は、フリーランスに転身するという道もありですよ。
ITエンジニアは質問力が必要:まとめ
エンジニアは質問力が必要という内容を解説しました。
本記事を要約します。
まとめ
- 的確な質問は作業効率が高まる
- 下手な質問は相手の時間を奪う
- 質問する前に考える
- 質問事項を一文で書き出す
- 問題を具体的に書き出す
- 文章or対面かを切り分ける
- 質問は悪ではないことを知る
- 質問しないデメリットを知る
- 質問できる環境に身を置く
上記の通りです。
ぜひ明日から「良い質問の仕方」を意識しつつ、円滑に業務を進めてみてください。
以下の記事では、新人エンジニアが気をつけるべきポイントについてまとめていますので、新人の方は参考にしてみてください。