フリーランスエンジニアといえば、リモートワークで好きな時間に働けて、高収入なイメージがある。自分もなってみたいのだけど、実際フリーランスエンジニアってきついの?実態を教えてほしい。
本記事で解説する「フリーランスエンジニアのきついところ10選と回避策」を読めば、フリーエンジニアのきついところやその回避策、独立するメリットや向き不向きなどがわかりますよ。
僕自身、フリーランスエンジニア歴は3年ほど。実際に3年働いてきて、どういうところが「きつい」のかを把握しているので、実体験をもとに解説しますね。
フリーランスエンジニアのイメージといえば「高収入」「週3労働」「リモートワーク」など、働き方の自由度が上がり、憧れを持つ人も多いのではないでしょうか。
ですが「本当にフリーランスエンジニアは誰もが理想とする働き方ができるのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。そこで本記事でフリーランスエンジニアのきついところを、現役の僕がリアルにお伝えします。
記事の後半では「きつい現場に当たった時の回避策」についてもまとめました。
現在フリーランスの方や、これからフリーランスを目指している方は、ぜひ参考にしてみてください!
フリーランスエンジニアのきついところ10選

僕がフリーランスエンジニアになってみて、特に「ここがきつい」と思ったところを10つあげていきます。
今後フリーランスエンジニアになろうと考えている方や、現役フリーランスの方も参考になれば幸いです。
- 納期が厳しい現場に入った時
- 残業が増えた時
- 現場が変わるたびに行う環境構築
- 新しいシステムの仕様把握
- スキルチェンジの難易度が高い
- 質問しにくい現場に当たった時
- プレッシャーがある
- 漠然とした不安がある
- 参入障壁が高い
- 競争激化による案件獲得難易度の上昇
納期が厳しい現場に入った時
1つ目は、納期が厳しい現場にあたった時です。
IT業界は納期が厳しい傾向にあるのですが、特に納期が厳しい現場にあたると疲弊します。
たとえば僕は、フリーランス初期の頃、納期が非常に厳しい現場にあたりました。どのくらい厳しかったかというと、エンジニア歴3年ほどの人が実装したとしても2週間はかかるであろう開発を、4日でやらないといけない状況でした。
当時の僕はエンジニア歴1年6ヶ月ほど。一人称で開発できないレベルです。スキル不足&納期が厳しい状況だったんですよね。結局、この案件は4日で終わらせないといけないところを1ヶ月かかりました。
毎週ミーティングがあったのですが、そこで毎回「いつおわるの?」「なんでそんなに遅いの?」「今まで何やってきたの?」という風に詰められ、精神的にきつかったです。ただ僕のスキル不足が原因というのもあるので、人のせいにするつもりはありません。
僕は納期の遅れを取り戻すために、朝の通勤電車でプログラミングの学習をし、8時半ころに出社して仕事。昼休みは15分ほどでご飯をさくっと食べて仕事に戻り、夜は20時くらいに退社。帰りの電車でもプログラミング学習をし、帰宅するという中々きつい生活を1ヶ月半送りました。
あと、その現場は遅くまで残業ができなかったので、残業で進捗をリカバリーするという選択肢がなかったので、それが逆にきつかったです。
また一番きつかったのが、開発メンバーは僕以外ほぼリモートだったこと。さらに画面共有できるツールもなく、質問しにくいため、なかなか作業が進められない状況が多かったです。
こんな感じで、納期が厳しい現場に入ると、疲弊してしまいがちです。とはいえ僕はこの案件のおかげで技術力が鍛えられたこともあってか、次の現場ではわりとスムーズに仕事ができるようにスキルアップしていたので、結果オーライです。
納期が間に合わない原因と対処法については、以下記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

残業が増えた時
2つ目は、残業が増えた時です。
フリーランスといっても残業が多い案件はあります。また参画当初は残業が少なかったとしても、後から仕様変更が入ったり、時期によって仕事が増えたりして残業が多くなることがあります。
残業は短期間なら良いのですが、1ヶ月や2ヶ月といった長い期間が続くとメンタルにきますね。もちろんこれはフリーランスに限らず、正社員でも残業が多いときついと思います。
ただ、フリーランスになる人の多くは、おそらく働き方の自由度を求めている方だと思います。自由を求めてフリーランスになったのに、残業が多いと本末転倒ですよね。
現場が変わるたびに行う環境構築
3つ目は、現場が変わるたびに行う環境構築です。
フリーランスエンジニアは1年や2年単位で現場を変えるケースが多く、現場が変わるたびに環境構築をしないといけません。
やっかいなのが、現場によって開発のシステムが変わるため、そのシステムにあった環境構築をしないといけないところです。現場によって環境構築のやり方が違うケースが多いのです。
現場に環境構築のやり方の手順書があれば、スムーズに構築できる場合はあります。しかし、現場によっては手順書がないところや、手順書はあるけれど情報が更新されておらず、古い情報のままで使い物にならないケースはよくあります。
僕がこれまでに参画した現場は4つほどあります。どの現場にも環境構築の手順書はありましたが、情報が古くて参考程度にしかなりませんでした。
こんな感じで、フリーランスは案件を変えるたびに、現場のシステムにあった環境構築をしないといけなくなります。
新しいシステムの仕様把握
4つ目のきついところは、新しいシステムの仕様の把握しないといけないところです。
これも先ほどの環境構築の話と同様で、現場を1年や2年単位で変えているフリーランスエンジニアにいえることです。
現場を変えるとシステムも変わるので、もちろんシステムの仕様を把握しないといけません。規模が大きいシステムほど、膨大な量のソースコードがあるため、仕様を把握するのに数ヶ月かかるケースもあります。
ただ僕の経験上、エンジニアの実務経験を2年〜3年以上しっかり積んでいれば、スムーズに仕様を理解できることが多いと思います。
なので、経験がある方にとっては、これはそこまで大きな問題ではないかなと。
以下では、エンジニアが仕様を理解できない時の対処法を紹介しているので、気になる方はチェックしてみてください。

スキルチェンジの難易度が高い
5つ目は、スキルチェンジの難易度が高いところです。
フリーランスエンジニアは即戦力が求められるので、基本的には身につけたスキルに合った現場にはいることが多いです。なぜなら、企業側は採用に失敗したくないので、フリーランスを雇うなら実務経験がある人を採用する傾向にあるから。
たとえば、Javaの実務経験が3年あり、Reactの実務経験がないエンジニアがいたとします。そのエンジニアはJavaの現場には入りやすいですが、Reactの現場に入るにはかなり難易度が高いです。
仮にフリーランスエージェントを使ったとしても、実務経験のない案件はなかなか紹介してもらえないです。
とはいえ、スキルチェンジする方法はいくつかあり、それは「独学してポートフォリオを作る」や「メインスキル+スキルチェンジしたいスキルが経験できる案件に入る」です。
実際、僕も上記の方法で現在スキルチェンジをしようとしています。また世の中にはスキルチェンジに成功しているフリーランスエンジニアは存在しますので、スキルチェンジが全くできないというわけではないです。
追記:僕自身、フリーランス案件でJava(SpringBoot)からTypeScript(Vue.js)にスキルチェンジできました。フロントエンドを独学してJavaScriptでポートフォリオを作ったのですが、それが評価に繋がったと考えています。
質問しにくい現場に当たった時
質問しにくい現場に当たった時はきついです。
質問できない場合、自己解決しないといけませんからね。いくらエンジニアの実務経験があるフリーランスだったとしても、参画当初はわからないことが山ほどあります。
たとえば、
- 新しいシステムの構成
- 設計書の格納先
- 実装方針や技術的な質問
などなど。
僕はこの記事を執筆している2024年1月の時点で、これまで5つほど現場を経験してきました。そのうちの1つの現場は質問しづらい状況だったんですよね。
- 僕以外のチームメンバーはほぼリモート(持ち出せるPCが足りないため僕は出社)
- チャットツールで質問はできたが画面共有ができないので文字のみでやり取りしないといけない
- 質問してもほしい回答が得られないことが多い(「他の画面をみてください」で終わりみたいな…)
こういった現場に当たった時はきついですね。
プレッシャーがある
フリーランスエンジニアには、プレッシャーがあるのもきつい理由のひとつです。
どんなプレッシャーがあるかというと、フリーランスは正社員と違って契約なので、特に成果を出さなければならないというのがありますね。
企業側は自分に期待して契約してくれて、単価を支払ってくれています。なので、期待値に見合う成果、もしくは期待値以上の成果をださないと申し訳ないという気持ちになるんですよ。
とはいえ、僕の場合はこれが逆に良いプレッシャーになっていて、成果を出さないといけないと思う=スキルアップし続ける原動力になっています。
たしかにプレッシャーがない方が気持ちは楽ですけど、自己成長につながるプレッシャーならあった方が良い場合もあります。
漠然とした不安がある
漠然とした不安があるところもきついです。
おそらく多くのフリーランスエンジニアが経験されているのではないでしょうか?
「漠然とした不安って何?」というと、それは以下の要因が大きく影響しているかなと。
- 会社員よりも収入が不安定
- 不景気になって契約切りにあう可能性がある
- 成果が出せなければ存在価値が見出せない
- 何歳までフリーランスを続けられるかわからない
上記のような不安と常に隣り合わせです。とはいえ、フリーランスエンジニアは在宅ワークがしやすく、収入が高い傾向にあるので安心面が多いのも事実です。
個人的には若いうちに高収入を得た方が、他の事業に投資したり自己投資したりして資産を積み重ねることができるため、将来のためになると考えています。
参入障壁が高い
フリーランスエンジニアは他の職業に比べて、参入障壁が高いと思います。なぜなら、プログラミングスキルやITの知識など、一般的にみて難易度の高いスキルが求められるからですね。
もう少し具体的にいうと、たとえばフリーランスエンジニアの案件を探しているとします。でも世の中には実務経験10年あっても、なかなか案件が決まらないエンジニアはいます。
これは何が起きているかというと、経験年数よりも経験の質が重視されているからです。
たとえば、簡単な改修案件ばかりやってきたエンジニアと、新規開発や機能追加など大規模な開発経験があるエンジニアとでは、後者の方が技術力は高く採用されやすい傾向にあります。
もちろん実務経験の年数も重要です。たとえば、実務経験1年のエンジニアの場合、いくら経験の質があるとはいえ実務経験の年数が少ないので、案件はなかなか見つけづらいです。なぜならフリーランス市場は伸び続けており、他のベテランエンジニアたちに案件を奪われてしまいやすいから。
こういった背景があり、フリーランスエンジニアは誰にでもできる職業ではなく、参入障壁が高いといえます。でも逆に参入障壁が低いと、その分新規参入者が増えてライバルが激増します。
そうなるとフリーランスエンジニアの需要が少なくなります。なので僕は参入障壁が高い方が、むしろライバルが増えにくのでメリットだと思っています。
競争の激化に伴う案件獲得難易度の向上
会社員エンジニアからフリーランスエンジニアになる人が増えてきています。
そのため、フリーランス案件の競争が激化してきている印象です。
僕自身、これまでに15社ほど面談をしてきましたが、だいたいどの面談でも複数人の応募者と同時で面談することが多いです。
多いと5〜6人くらいの応募者と同時面談なので、「自分、この中から選ばれるのかな…」と不安になることもあります笑
とはいえ、フリーランスの面談はきちんと対策すれば、そこまで難易度は高くないです。面談対策は以下で解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

フリーランスエンジニアになるメリットと向いている人の特徴

「結局のところ、フリーランスエンジニアってどういうところがメリットなの?」
「実際、自分はフリーランスエンジニアに向いているの?」
という疑問をお持ちの方に向けて、以下2点を紹介いたしますね。
- フリーランスエンジニアになるメリット
- フリーランスエンジニアに向いている人の特徴
フリーランスエンジニアになるメリット
フリーランスエンジニアになるメリットは以下のとおり。
- 高収入を実現しやすい
- 労働時間を減らしやすい
- 自分で案件をある程度自由に選べる
- 人間関係のストレスを軽減しやすい
- リモートワークを実現しやすい
- 雑務が少ない
- 会社の縛りから解放される
- 自分の力で生きていける自信がつく
- 案件の掛け持ちができる
- スキルを伸ばしやすい
上記のなかでも、特に僕が「フリーランスのここが魅力だな」と思うところは、「高収入」「ストレスが少ない」の2点ですね。
会社員エンジニアとフリーエンジニアを比較した場合ですが、フリーランスは収入が高い傾向にあります。あと、案件をある程度自由に選べるので、残業が少ない案件や、リモート案件に入ることでストレスを減らせます。
フリーランスエンジニアになるメリットについて、以下記事でもより詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

フリーランスエンジニアに向いている人の特徴
フリーランスエンジニアに向いている人の特徴は、以下のとおり。
- 収入を伸ばしたい
- 開発に専念したい
- 会社に縛られたくない
- リモートワークしたい
- 希望のスキルを伸ばしたい
- 人間関係を固定化したくない
向いている人の特徴についてより詳しい内容は、以下記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

フリーランスエンジニアがきつい現場にあたった時の対処法

フリーランスエンジニアになって「きつい」と思った時に効果的な対処法をご紹介します。
- 担当者に相談する
- スキルアップを継続する
- 現場を変更する
- 会社員に復帰する
担当者に相談する
仕事がきつい時は、現場にいる責任者、もしくはエージェントを経由している場合はエージェントに相談するのが良いですね。
たとえば、以下に当てはまる時は、いますぐにでも相談していいかなと。
- 残業が多くて身体的にしんどい→残業を減らしてもらえないか
- スキル不足で明らかに納期に間に合わない→納期の調整ができないか
僕自身、フリーランスに独立した頃は実務経験1年だったので、正直独立当初はスキル不足でした。なので最初は納期に間に合わないこともあり、現場の担当者やエージェントに相談して納期を調整してもらったこともあります。
もちろん現場によっては納期の調整がで聞い場合もあるでしょう。ただ一人で抱え込んで、体を壊してしまっては本末転倒ですよね。
スキルアップを継続する
僕は正直、エンジニアはなんだかんだいって技術力があれば色々な問題は解決できると思っています。
技術があれば、
- 周りから頼られる存在になりやすい
- バグが少ないシステムを作れる
- 仕事のスピードが速く残業を減らしやすい
- 単価を上げやすい
こういったメリットがあります。
継続的にスキルアップすることで、一般的に「きつい」と思う現場でも、少ないストレスで働ける場合があります。
フリーランスエンジニアが効率よくスキルアップする方法は、以下記事で解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

現場を変える
場合によっては現場を変えるのもありです。
もし現場の環境や人間関係が合わない場合、別の案件を探してシフトするという選択肢もあります。
エージェントを経由しているなら、エージェントに相談すれば別案件を紹介してくれます。
「そんな簡単に現場なんて変えられるの?」と思う方もいるかもですが、意外と変えられます。実際に僕の知り合いは、入った現場の環境があわず、1ヶ月で別の案件に切り替えていました。
もちろん現場が合わないからといって、一人でいきなり案件を変えると決心するのではなく、まずは現場の担当者かエージェントに相談するといいです。エージェントに相談した場合、エージェントから現場の人にかけあってくれますよ。
ある意味、フリーランスは「いつでも現場を変えられる」という点では、正社員よりも気が楽な方かなと。
会社員に復帰する
もともと会社員エンジニアからフリーランスエンジニアになった人で、もしフリーランスの働き方があわないと感じた場合、会社員にもどる選択肢もあります。
世の中にはフリーランスから会社員に戻る方は一定数います。実際、僕のエージェントの担当者も、会社員からフリーランスに戻る人は時々いると言ってました。
フリーランスになってみてわかることもあると思います。「思っていたのと違う」とか。
なので、会社員の方がメリットが大きいと感じるのであれば、また戻るのもありですよ。
以下でエンジニア向けのITに強い転職サイト・エージェントを紹介しているので、会社員復帰を検討する際に活用してみてください。

まとめ:フリーランスエンジニアのきついところと回避策

フリーランスエンジニアのきついところと回避策を解説しました。
フリーランスエンジニアはプレッシャーがあったりして、きついところはあります。でも僕はそれ以上にメリットがあると感じています。
実際に僕は会社員エンジニア時代、毎日出社でしたが、フリーランスになった今では、念願のリモートワークが実現できました。働き方の自由度が高まりましたし、年収は倍以上に増えています。
もし今フリーランスエンジニアの方で、きつい状況にいるのであれば、本記事で解説した対処法を実践してみてください。
これからフリーランスを検討されている方は、フリーランスの良い点悪い点を比較した上で、独立してみてください。
以下でおすすめのフリーランスエージェントを、厳選してまとめています。自分に合うフリーランス案件があるのかキャリア相談をしたい方や、いまの現場を変えたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

